良い人/梅昆布茶
 
良い人は扱いやすさで軽んじられる
良い人は時に利用されて捨てられる
良い人はもてない分だけ深みが増す

男女交際において
良い人という呼称は決定的なダメージの象徴だが
良い人が好きだ

たぶん彼等はあまり対価を求めないのだろう
直截的なやりとりが意味なくて
ボーっとしている人種なのだと思うのだが

宮沢賢治から学んだのは恋愛ではなく
基本的な生きることと大地と
或いは自分の中のせめてもの敬虔な部分に気付くこと

詩は力を持つのだろうが
美はあくまで抽象的なもの
なにを訴えるかは自由だし

美は倫理も含めて
ひじょうに個人的な感性による

少なくとも僕も
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