課題「遊」:真面目なちびまる子ちゃん /木原東子
 
と胡乱な、陰微な遊びもしたんだね、これが
病気ごっことわたしゃ呼んでいたが
老も若きも(つまり5歳児も7歳児も)男女を問わず
真面目に病人を看病する手助けをした

一番かわいい子を病気と称して膝に抱き
隅っこに隠れて、介護のふりをする
そこには、ねえ
いうにいわれぬ甘美な感覚があったもんだ
遊びのなかにすでに潜んでいる現実

そんなこんなの数十年
今やわたしゃ
聖老女となって
印を結び、悟りを得て
別れを待っている
自然も都会も美しいよ
わたしゃ独自の自分だよ
楽しい時間はあまりなかったが
それを惜しむわけじゃなく、、、

くう、結論に至らない
かなり空疎な時間だった
わたしゃ居ても居なくてもよかったんじゃん
たくさん食べ散らかして悪かった

それが結論、真面目な話

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