風船/
灰泥軽茶
今日も歩いていると
いつの日かの私が
朴訥と佇んでいる
でもなんだか薄皮で安ごしらえ
色もくすんで生気がないが
手を広げて空に向かって伸ばし
かかとを上げて
できるだけ背伸びをしている
いつも近づき
目を合わせると不思議そうな顔をして
ゆっくりと風船が空に舞い上がるように
飛んで行くので
手を振って見送る
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