15分/瑠音
何かを吐き出す音とともに開いたドアに
迷うことなく吸い込まれる
青とオレンジの間
空はいつもどおり私を拒絶しなかったけれど
三本の飛行機雲を見た日
呼吸のたびに軋むイメージを感じている
そんな背中が本当に軋んだ気がした
マテリアの転がりを感じ
呼吸音が遠のく
目の前の少女の横顔に
傷をつけたいような衝動と出会う
* * *
そうだ
眠りに呼ばれている
揺れを止めない限り
一生をかけて描かれる夢模様
筆を少し進めるその度
私は死へと歩み寄り
完成を誰かが見ることはなく
ただ燃え落ちることを知っているのだ
と
そんな
君の説いた正しさを思い出す作業に骨を折る私
その姿が
誰かの目にはどううつるのか
考え事はやまない
ガタガタと
ゴトゴトと
扉が開くまで
開くまで
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