齧りかけの林檎/AB(なかほど)
 
は他にも
今が食べごろの
様々な果物を描いているが
見る者 誰もが
齧りかけの林檎を欲するように
と願って描いていた


僕の好きだった
北の文学に出て来るような
あの頃の君は
いつも笑顔で
振り返るとき
話すとき
仲間に囲まれているとき
歌うとき
そして
君が綴る言葉達の中にも
多くの笑顔が
僕の好きな笑顔
が転がっていた

2+
君の笑顔のほとんどが
作り物であること と
その理由を話してくれたとき
そこには
そこには僕が知る限りで
最も愛しい
笑顔らしい笑顔
が滲んでいた

1+
やがて
僕の描く齧りかけの林檎は
すっか
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