明月に/
柊 蒼衣
美しい満月が浮かぶ今宵
僕を見ている黒
染まる 一羽の鴉
月光が黒い羽の上で輝く
「黒い鴉が僕を見てる。」
その僕の言葉と共に
僕も黒に染まった気がした
次の満月
僕は誰かを見ていた
それは過去の僕に似ているような
鴉は満月の光に溶け込むように消えた
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