デスペラード/梅昆布茶
 
深紅の薔薇を投げた夜
いくつもの吐息をかさねていた

僕達の想いには名前がなかった
そんなもてあました悲しみが
僕達は好きだった

いくつもの季節を共有し
違和を閉じ込めた小箱を持っていた

憎しみという熱いかたまりさえも
飲み込んでしまった日常は
もうあきらめかけた
色をしていたっけ

旅立つ日はいつも雨なんだ
そびやかした肩にきらきらと
滴が光るんだ

もう若くはないし
ふんだんな時間は過ぎてしまった

もういちど待っているものを
さがしに行こうと思うんだ
せめて君の

手の温もりが
残っているあいだに



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