「良い豆」考/深水遊脚
とが多いです。私がいま考える良い豆は、このいれ方に耐えられる豆のことです。
まだ感覚的につかんでいるだけで科学的な見識もない、しかも素人の私ですが、いろいろ知識を入れる前にもう少し素で書いてみようと思います。このいれ方は、豆の良い味も悪い味もすべて出し尽くすやり方だと私は思っています。焙煎ムラのある豆を使うと変に生臭い味がしたり、逆に焦げすぎた味も混じります。でも、このいれ方をしても、浅煎りでも深煎りでもこうしたいやな味がひとつもせず、浅煎りの豆は果物のような新鮮な酸味と甘味と香りがして、深煎りの豆はチョコレートや蒸留酒、ドライフルーツのような奥行きを感じさせてくれ、無防備に最後の一滴まで
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