ゆだねるもの/梅昆布茶
 
ぼくは誰の遺志でいかされているのだろう
ふとおもったのだが

生物の基本原理は摂食と生殖
僕だって変わらない

人生や愛に聖書が無いように
僕たちは風に翻るのだ

遠く越冬する鳥たちは
自然と進化の哲学の翼を持っている

本当に風の力学や
この惑星の心は
あの岬のかもめにきいて欲しい

いつだって僕たちは風にふかれている
優しかったりときに残酷だったり

でもそれを自分の原理として受け止めなければ
生きては行けない

整合なんてないのさ
辻褄合わせが生きること
それなくしては人も愛せない

何かを担ってゆくこと
たとえそれが生であろうが死であろうが

いまぼくにふさわしいこと

ついやした人生にせめて
言葉の少ない詩人でいられればと
思うのだ



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