【 擬態 ? mimicry ? 】/泡沫恋歌
 
はり擬態するのだ
集団の中にあって
目立たないように
人の意見に合わせて自己主張しないように
「仲間」という人の群れの中に擬態している
そうすることによって
他者からの攻撃をかわす
それを『隠蔽的擬態』という

また ある時は
仲間の振りをして
虎視眈眈とチャンスを窺っている
誰かがつまずこうものなら
いきなり毒牙を剥きだし攻撃をする
徹底的に相手を叩きのめし
そのポジションを奪おうとする
政治家たちの権力争いがそうだ
浅ましき生き物の性
それを『攻撃擬態』という

 ― mimicry ―

この不思議なの生態について
一羽の蛾を通じて考えてみた
擬態はしょせん卑怯な技のように思う
きっと 私も弱い自分を隠すために
いろんな擬態を繰り返しているのであろう

もはや 隠れることが
一番の自己主張だったりする



                           2012/011/07
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