時代精神/すみたに
 
を失くした母の肩をみたこともない
  空爆機の迫ってくる恐怖も体験してない
  銃声一つホンモノを聞いたことがないんだ、
  だからたしかな敵を知ったこともないんだ。

  けれど、だからなんだっていうんだ、
  ここに事実として書かれている信じがたいことを、
  ぼくは盲目的に信じるわけいはいかないんだ
  だから、これは事実なのかぼくは大人に問う。

  「そんなこともしらないのか!」
  大人は勝手に怒っているがいい、
  「新聞を読め、書いてあるぞ」
  大人は勝手に笑っているがいい、

  そして早速新聞を広げてぼくは思う
  毎朝毎朝、これだけ世界の大事
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