時間と光/木屋 亞万
 
ように人と人の二点以上のつながりなくしては人というものを語りえない。人間とは人と人の間にのみ生まれ落ちるものであり、人と人の流れの中に人間が存在する。人は人間の断面であり、人は連綿とつながる人間の流れの構成要素に過ぎない。
 流れるという現象は物質の移動だけでなく、物質と物質の間に隙間なく粒子が敷き詰められている必要がある。流動するためには流れ動きうるための集まり、つまり時が流れるためには時の集積が必要であり、それこそが時間なのである。
 二点以上のつながり、集積の移動という二つの特徴を持つものに空間がある。空間も時間、人間と同様のことが語りうるがそれに加えて、光という存在がある。光は波そのも
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