かたちのないもの/AquArium
を感じられる気がしている
月曜の朝
*
一週間が始まる
ページを捲っても、
終わりのない
秋から始まる物語を
日比谷線を待ちながら
描いている
背中のずっと先のデスクで
難しい顔をする
きみを、
左目の端っこから見る
だらしなさのかけらも
此処では見せない
*
毛布がまとわりつく
脚先のいたずら
季節さえ愛おしくて
子守唄みたいな寝息に
僕らの関係は許される
気がしている
土曜の夜
**
「お疲れさまです」
ありふれた言葉の色も
変化していく
朝の占い
みずがめ座までチェックする
引き返せない
分かりきっていて
「おはよう」
**
眠たい日曜の午後
きみの心音を右耳で聞きながら
かすんでいく視界が
とてつもなくやわらかくて
僕は永遠を
信じてみたくなる
信じてみたくなる
信じたいんだ
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