足跡をたどる/番田 
 

曲がり角で今と同じ自転車をこいでいた
10年前の 何も知らない僕が浮かんだ 
芸術を理解することに あの頃は 必死だった
そのくだらなさを知るのも 時間の問題だった  
僕は中央線の中でどんなことを考えていたのだろう


それを おじさんたちは 知っていた  
何かを知るほどに人生はつまらなくなっていくのだ
何も時代は 変わっていないからこそ 移りゆく
僕と同じ目をしていた頃が彼らにもある 

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