遠ざかる/
百瀬朝子
世界が私から遠ざかる
耳鳴り 残響 孤独
夜はこんなにも寄りそっている
腐ったメロンを想像する
熟れすぎた甘いにおい
とろける果肉
まるでそれは私の心だ
人を愛しすぎた私の
私の幸福
これまで積み上げてきたもの
すべてが意味を失くした
崩
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