久しぶりに自転車の後ろに乗りました/
あかり
幼い頃は
私の後ろばかりついて歩いて
私の真似ばかりしていた君が
過ぎる時間が決して無駄ではないことを教えてくれるのです
私に呼吸を続けさせてくれるのです
私は涙を悟られぬよう
真冬の冷たい風を吸い込んでから
落ちるもんか、と笑いました
久しぶりに自転車の後ろに乗りました
姉思いの弟の後ろ
私はそこでいつまでも
流れては消える世界を楽しんでいました
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