韓流じゃなきゃだめなの/梅昆布茶
 
ないのだろう

彼女には人間の欲望は模倣か惰性であるって
流行はそれを巧みに利用したシステムなんだって
言い切ってしまいたいのだ

イザナギとイザナミが天沼矛で国産みをした時に
まま子扱いされてしまったミズヒルコのように

神々の子供からもれてしまった者はいつも
肩をそびやかして夜陰に紛れて鼠小僧になったりもするもんだ

僕たちは一人ママの狭いスナックで乾き物だけをつまみに
安い酒で朝までジョークと人生哲学の宇宙を紡いでゆくんだ

そういった狂騒のなかで諦めてしまったものを
ふと思い出してしまうそしてセンチメンタルが
喉元までこみあげてしまうんだもの

だから毎年ソウルへ行きたいと思っている彼女にきいて欲しいんだ

どうしても韓流じゃなきゃだめなのかってね



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