韓流じゃなきゃだめなの/梅昆布茶
綺麗な役者たちが素敵なフレームのなかで
甘く切ない恋物語
某チョコレートを齧って
爽やかに微笑み彼らは天使に昇格する
僕たちは昇給も無い仕事が恋人だ
僕たちの切なさは三等級下で
恋する乙女の窓辺には永遠に届かない
生活費からひねり出した花束は
白い指に触れないまま朽ち果ててゆく
それで良いのかもしれない
僕たちのハリウッドは別な処にあるのかもしれない
それとも本当は嘘っぱちのメニューなのだろうか
貨幣のような交換価値を持たない者は
いつも狭い箱の中で夢を見るものなんだ
そういった構造の鉄格子をいともたやすく
脱獄する収監者でなければいけない
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)