冷たい歓楽/
鯉
出す。)
(喉仏にひっついたチョコがとても重たくて、笑い声を上げるには遠すぎる。太陽に捕まりたくはなかった。)
(ちょうどぼくたちはそのとき、影絵を作りながら沈黙していた。巨大な沈黙が犬だった。犬は無垢に笑った。煙の味のするチョコをポケットに入れて。)
やわらいだ。息が固くなってしまった。手を突っ込んでまさぐっても湿り気。
それから教科書の数だけ重なった、だれかの舌打ちと声とを拾い集めている。
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