足元を流れる水の底の色、その地下を流れる/ピッピ
地球はそれに従ってくれない
いじめなんかとは違うんだよ、と言われても
それならこれはなんだと言うのだろう
赤い血、
ヘモグロビン
帰ろうね、
と言って手を引いた
おばあちゃんのにおいがする
川下へ
川下へどんどん流れていくにつれて
濃くなっていく憧憬
ゆうきのゆうはゆうひのゆう
ゆうきのきいはきぼうのきい
流れているのは誰なのか
流されているのは
何なのか
言葉が回る
事実が零れ落ちる指先の隙間に
世界は普通を取り戻していく
背中に流れる青い汗
今では既に乾涸びて
水底を走る水中列車
土煙になる
風になる
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