赤い水/佐藤伊織
私の息は透明な幽霊のように
記憶と倦怠を吐き出していた。
そうだ。最初から言えば良かったのだった。
これは赤い水だったし、これから先、もうそれしか出ないのだ。
それに、もはやここには天井まで満たされた水しかないのであるし
、それ以外のものは一切が水の中なのだ。
わたくしという現象は
假定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明であるから
((宮沢賢治の文を一部使用 http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1058_15403.html))
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