砂の民/
そらの珊瑚
してまた、ミス ドリアン以外にJ.Wの消息を知るものはなかった
彼女は自分の恋人ミスター レジェンドの分厚い本の1ページに書き記してはどうかと提案したが、それはJ.Wによって拒否された
J.Wはそうする方が良いと思ったのだ
一粒の砂の軽さを想う
一枚の紙の軽さを想うように
荒涼たる砂丘の重さを想う
果てしなく積み上げられた本の重さを思うように
それは私の重さを軽々と超えていく
ふたたび世界の秩序が取り戻されていった
[グループ]
戻る
編
削
Point
(11)