砂の民/そらの珊瑚
 
してまた、ミス ドリアン以外にJ.Wの消息を知るものはなかった
彼女は自分の恋人ミスター レジェンドの分厚い本の1ページに書き記してはどうかと提案したが、それはJ.Wによって拒否された

J.Wはそうする方が良いと思ったのだ


一粒の砂の軽さを想う
一枚の紙の軽さを想うように
荒涼たる砂丘の重さを想う
果てしなく積み上げられた本の重さを思うように
それは私の重さを軽々と超えていく

ふたたび世界の秩序が取り戻されていった





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