文化の星の馬/根岸 薫
 
のは
 知り合いだ
 経歴を考えるとすこしあぶなかったらしい
 自衛隊行きをなんとかまぬがれたとかいう話で
 でも
 慣れただろうか
 それは知らない
 しらないことだ
 長い間
 国分寺の駅のそばで
 腕輪を売っていた
 すわっていた
 (あっ!ひろくん!)


 眠いのには
 理由があった いちにちだった
 結局
 小さい旅行も
 合わせていたのだ
 春の
 まぼろしに まぼろしの弁当に(奥様のB面に)

   スーツを着ると
   余計にやせて見える
   からだをしている


 みじかいあいだに、どうしてそんなにも
 君は綺(以下略)



 かけはしになる
 星になる 文化の星


「少しわざとらしいところもあるな。出版差し止めの」
「所にもね。」
「そうだ。※※※※※のことだ。」
「あの事件の日からずっと、」
「ああ」
「通しているんでしょう。」
「そうだよ。」
「何を。」
「それは、狡いぞ。」
「そっちこそ、ずるいわ。」
「悲しいことを、言うなよ。」




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