あの町/
もっぷ
帰っては来てほしくない
波もいつかは帰ってくる
それが自然の営みで
逆らうことなど考えるな
と記された記憶のそこの
谷間にはあるのだろうか
あの町が
揺れる稲穂が不似合いに
原風景の
あのおさなごの
ふるさとは
泣くことを知らず
教えもされず
いまだ戸惑う
こころ遺して
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