古い電話/アラガイs
 
で余命数週間を宣告された病人を見舞ったその翌日に、院内を元気に歩きまわる姿を目撃してしまったような、といった調子ではないか。
元同僚といっても彼は数年で会社を辞めさせられた 。
ふざけては会社の悪口を言い合ったり、何度か酒も飲みにも行った。
仕事を抜きにすれば愉快で威圧感のない男だったので仲はよかった。
よほど話し相手がいないのか、懐かしさが忘れられないのか、
もっとも、誰彼かまわずに電話をかける癖は相変わらずのようで、彼にとってわたしはいまだに友人の一人らしい 。










戻る   Point(7)