ゴミ箱の夢/結城 希
 
入れやゴミ箱をあさった

何もなかった

何もあるはずがない
あの頃 作ろうとしていたものを
捨てたのは 自分自身なのだから

私は為す術なく
ベッドに横になって
笑った
声を上げて 笑った

再び気づくと
窓から 朝日が差し込んでいた
見たこともないような
まぶしい朝だった

私は立ち上がると
部屋を後にした

何年も壁に掛けっ放しだった
薄汚れたギターを持って

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