かもがわ/ゆるこ
 

寄り添う水辺に浸る足
、に滴る息の音は
夏を告げながら秋に向かう

しぃんと耳をつんざく
その水達は
形成されることを恐れて
最後まで泳ぎ続ける、けれど

蛇口を捻れば、汚染された私が
流されて行く
目に見えてるんだ、それだけは
少しだけ、目をつむってもいいですか
少しだけ、呼吸を停めてもいいですか
管理できない自分に、あくびをかく

一千万画素の私は既に
液晶よりもつまらなく、
がたがたと揺れる様は
手ぶれ補正も効かず、

まぶたをぱしゃんと閉じては
つまらないことをまた探す
窮屈な、個体です
戻る   Point(3)