晩夏/アラガイs
 

ヒロシマにはたくさんの暑いがあって
たくさんの雲がながれて
たくさんの橋がある 。

たくさんの足音がビルに響き
人々はべつに重苦しくもない電車を今日も走らせる 。

雑草は枯れ、帰りぎわに鳩が餌をつつく
風のない日に木陰は路面に揺れて
まだ彩りのある汗が渇きを遅らせるそれは
、それでいいんだと、
うしろから射す陽を帯びて
、僕は次の駅に向かう 。










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