悲しみがくれるもの/HAL
 
嬉しいことはそんなにないのに
悲しいことはいっぱいある

その悲しみはひとそれぞれだけど
だれもがその悲しみを背負い生きていく

でもその悲しみはひとの悲しみを教えてくれる
だからだろう悲しみを知ってるひとは

どんなひとにもやさしくなれる
どんなひとにもちからを与える

そうぼくは悲しみの数が多いひとほど
ひとを抱きしめひとを思いやり
ひとを愛することのできるひとだと想っている

悲しみがくれるのはじつは悲しみではなく
ひとがもつべきやわらかいこころだということ

きみはきみなりの悲しみを背負って生きながら
ぼくはぼくなりの悲しみを背負って生きながら

そしてぼくらは顔を見合わせ笑い合う
ぼくらは仲間だというその理由だけで
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