君らとはもうやってられない/番田 
 
生きている
僕には すべてが 間違いなのだとわかる
色が揺らめいていた
音楽が壁にぶつかって室内で乱反射している
東京は自殺者しか生み出さない街だ
そうではないという君の主張は寂しい



コンベアに載って白いエンガワが流れてくる
僕は それを つかみそこねた
本屋を流れている音楽が違うジャンルに変わるまで
いつまでもここで腕を組んでいようと思う


夜は 五反田で裏風俗を探索している
そうしては マップを開いて 行った店をメモしている


立ちんぼが立っているエリアは回遊しているようだった
誰を選ばされることもなく


ぼんやりと 歩き続けていた
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