ビッグバン/結城 希
急に
はじけた
大きな大きな 音を立てて
みんなてんでばらばらに
ちぎれて
あちこちに 飛んでいった
離ればなれになると
ぎんぎんに体が冷えて
あちこち自由が効かなくなるから
僕は必死に手を伸ばして
君も必死に手を伸ばしたけど
逆らえなくって
流されて
僕はこっちへ
君はあっちへ
飛んで行っちゃった
『……もしも…し』
『……聞こえ…ます…か』
ふたたび気づいたときには
君はもういなくて
僕は見知らぬ誰かと一緒に
ぐるぐると回っていた
ねえ、いま君は どこ?
僕は相変わらず
ひとりじゃいられないから
こう
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