ビッグバン/結城 希
 

急に
はじけた

大きな大きな 音を立てて
みんなてんでばらばらに
ちぎれて
あちこちに 飛んでいった

離ればなれになると
ぎんぎんに体が冷えて
あちこち自由が効かなくなるから

僕は必死に手を伸ばして
君も必死に手を伸ばしたけど

逆らえなくって
流されて

僕はこっちへ
君はあっちへ
飛んで行っちゃった

『……もしも…し』
『……聞こえ…ます…か』

ふたたび気づいたときには
君はもういなくて

僕は見知らぬ誰かと一緒に
ぐるぐると回っていた

ねえ、いま君は どこ?

僕は相変わらず
ひとりじゃいられないから
こう
[次のページ]
戻る   Point(3)