オナホール・ブラザーフット/馬野ミキ
 
のらしい
働いていないのに一日中作業着を着ている一階の住人から電動ノコギリを借りて木刀をぶったぎり
最終的には彫刻刀で俺が俺用に成形したものである
やすりで削り、ニスを塗り
その繊細なメンテナンスを俺はたやさない





去年か、俺が木刀を切ってバラバラにしている時
キムは団地の人たちが勝手に作った農園のなかで泣いていた
お前は本当に誰かの頭をかち割る可能性があるからこんなものはない方がいい。
俺は知らないふりで木刀をちんこの大きさに切り分けていった
白髪の、上品そうな顔立ちのアルツハイマーのおばさんが俺を見つめて目をそらさないでいる
俺が見ると叫びだすので、目を合
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