彼女へ/mizunomadoka
 
農場の柵の果てにある
カウリの脇に車を停めて
フィッシュエンチップの
残りを食べた

コーラを飲みながら
どうして最近のゲームは
おもしろくなくなったんだろうね
なんて話題で盛り上がって

電池を節約して
懐中電灯もつけずに
ずっと話してた

すこしだけ冷たい風と
遠くからきこえる馬の音
動くときだけ見える
彼女のシルエット

彼女の落書きに青を重ねた手で
白くなった頬に紅を入れた

現実じゃないみたい

砂漠で目に入った砂を水もなく
拭う彼女の横顔が
映ってる





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