ありふれた孤独/番田
たが、どこに行ってみても無駄金を費やすに決まっていた。
そもそも対人力が無いからこのようなことになっているのかもしれない。昔、ある友達が「俺は対人力をつけたい」と主張していたのを思い出す。確かにそういう力があれば、今頃バンドやフットサルに汗を流していたことだろう。素敵な女の子と一緒にディズニーランドに出かけていたかもしれない。まあ、そんなことをしている人間は僕の周りにはごくわずかで、会社では不況な上少子化なので男女とも双方に対して無関心だったわけだが。今は色々と大変だろうと思う。なんせ、ネット以外のことで魅力的なことを見つけるのが難しい。だからこそ山登りする人間が現れたり、釣りをし出す女もいるのだろう。そのどちらも全くつまらないが。僕は勉強をしたり、ロシアで書かれた論文を読むことにした。それだけが確実で、やりがいのある楽しみのように思えたからだ。
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