愛の22/瓜田タカヤ
 

ビラビラの花内部は空想の迷路
瞬時に変化する明滅色のコビトタクシー模様
遙か北部の山岳地帯にある自殺者の頭脳を
ブロック崩し的色彩で抱き留めるピン留めの肉体

丘の滑り台から
春の雪解け水があふれ 重く流れ
ずっと流れるだけ

縞模様の恋人達は濡れた枯れ葉が敷き詰められたベンチで
不規則に漂い、カマキリの生殖器の話だけを抑揚のない言葉で
奏でる

ビラビラの花びらは冷えた水滴が霧吹かれ
雪の結晶越しに白い光熱に薄まり赤い血の歌が聞こえる

ねえカチョウサン!このお薬は身体にすごく良いのです!
ねえアンタ買いなさいよ。カイナタイヨ!
しきりに何かを勧める 黒い
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