ベランダの猫/梅昆布茶
 
もの
人間が自らのおもいつきを哲学と称して堕落がはじまった
戦士は言葉におおくをついやさない
詩だ文学だとも騒がないし
だいたいわかっていない

おのれへの自信を尊ぶ
傍観者の目のなかに確実さを求めてはならない
戦士は自らの目のなかに無欠さを見つけてそれを謙虚と呼ぶ
周囲の人間にとらわれずただ無限なるものにのみとらわれるものを
戦士と呼ぶ
だから鳩にはなれない
だいたい重くてあのようには飛べない

我が家の賢人はときどきくさいおしっこもするが
それ以上にデブで憎たらしい戦士でもある
変猫とも呼ばれるがそれを
誇りに思っているふしもあるのだ




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