あなたの乳房を揉みしだきたかった/do_pi_can
 
閉塞した車両の中程で
身動きもできず
ただ,鉄橋を渡る音だけが
耳の中に響く
今,足元にある河は
もうすぐ海に注ぎ込み
自由を謳歌するのだと言うのに
私は,
足を鎖に繋がれた囚人のように
電車の車両の中程で
ポマードや香水の匂いに喘ぎながら
立ち尽くしていないといけないのだ
何の因果だか

脳髄が閉塞し始める

まだ二駅も
こうしていなければならない

人格を自ら壊し
耐える事だけに意識を集め始めた時
誰かが何処かで窓を開け,
車両を新しい空気が駆け抜ける

鼻腔から海馬,灰白質へと
純水な気体が通り過ぎる

そんな時だ
あなたのうなじから胸
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