指先が触れて/wako
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私がつかもうとしたのか
私の砂漠へ
日常のほんの小さなすき間から
思いがけず吹き込む風のむこうの
荒涼とした世界
あなたがつかもうとしたのか
あなたの常識へ
瞳に映る乾いた世界に
病的な輝きを見たのか
錯覚がつくり上げる幻の
日常のひずみから転がり落ちて
乾いてくすんだ日々を彷徨う
白い骨が転がって
失望の数だけ
逃げ水が輝く
朽ちていく記憶の最後の煌きの様な
たどり着く事のない風景が地平線に揺れて
妄想を増殖させるだけの
砂嵐に吹き曝されて
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