浮遊するビニール袋として/番田
段々と仕事が減ってきた
解雇された 潰れた あの日本橋の会社のことを思い出す
しがないソバ屋の2階だった
すでに 未来に希望を持てる国では無くなった
音のない無言の空間の中で
僕は のんびりと 身構えていた だけど
それは 良くあることなのだろう
アメリカはどこまで発展するのだろう
世界的な不況の中でも今日も新しいテクノロジーを生み出している
そう思っていると この部屋にも夕暮れが近づいてきた
僕も その栄光の一端を担いたいものだ
トイレ掃除なら できないこともない
霞のように
何の責任感もなく
生きて行けたら 幸せだ
風のように
どこまでも流れ
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