やわらかアッパーカット/マスイジュウ
 
映る少女は
「あたしパスタ食べたーい」と言った
今日も
明日も
明後日も 

要するに
それしか言わないのだ 

私は言う 言える
「そこのポスター全部ください あ 二枚ずつ」と

リュックサックにあふれるポスターが
まるで私の後光のように
道行く人たちも畏れ多いのか
誰も近寄らない 

夢のようだった
アタック25に出たんだ
私は青の席だった 

早押しボタンが硬くて
問題に答えようとするたびに
私は「心臓マッサージをしている人」
のようだった 

ここでそのときの
私の回答をお見せしよう 

「40%!」
「ニーチェ!」
「思い出!
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