いきる(脳力)/梅昆布茶
 
影に翻弄されるのが人間のかなしい属性であるならば
それを認めたうえで不要なものをまたかなしい努力で取捨選択してゆくしかないのかもしれない

ひとついえる事はすべてをもつことはできない
ものも恋愛もしかり

ぼくたちはカタログ文化の寵児としていさぎよく
「ポパイ」のページをやぶりすてなければならない
さもなくば自身がきょだいな幻影のカタログの一部としてポルシェやレンジローバーに
惑わされて生きていかざるを得ないのかもしれないのだ

そのなかでのわずかな光明はささいな庶民の知恵である

じぶんのもつべきものを取捨選択することとそれを行使する(脳力)
それはすくなくともわれわれが
あまり対価を支払わずに手に入れることのできる
ささやかで最大の
そして最良の才能ではないかとおもうのである




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