時間と星/ドクダミ五十号
少し前の時間に生きている
常に熱力学の第二法則の示す様に
混沌に向けて
絶対はありえない
己れが絶対と言う舌の先が
捉える味覚は常に極端であるのだ
では
この宇宙に於ける反物質の量の不均整は
それは「認識」の不確かさだと思うよ
観測者は常に「観測した時の事のみを知る」
絶対を求める故に陥るジレンマだ
尺度の違いを
感覚の違いを
越える物があるのか?
否
私は一人の観測者
視点は一定では無い
対象物を見るまで
わからんちん
貴方は解るらしい
おかしな事に
そうして固く硬度を保ち
凝集し
圧縮し
冷めて
暗く
私は旅する
膨張し
収縮し
中心に柔らかを保ち
絶対と固さと冷たさの女王星へ
相対と柔らかといくらか暖かい貧民星より
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