理由/もっぷ
 
こころの湖水のさざなみは
初夏待ちきれない薫風のせい
桜花に戯れその帰り道
きまぐれ薫風ちょっと淋しい

あっちにもこっちにも仲の良い
二人の姿を見るたびに
桜花はどんどん散らされる
薫風がいじけて散らしてく

一人のこどもが声かけた
風さん風さんなぜ薫る?
どんなお香を抱いて寝た?

一人のこどもに応えてみる
冬の弔いの名残りなんだ
これは白煙抱いた痕

こころの川面のにびの色
街に染まった薫風が
運び運んだ空の色
いたずらが好きな薫風らしい

空がそれ見てかなしんだ
私をそっとしておいて
薫風ふいに思い出す
そうだ初夏にはまだ早い

そうだ舞台はまだだった

薫風は
きょうも
ちょっと、

淋しい…
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