ナギの唄/砂木
られたのかな
あれこれと思いを巡らせながら
私の事など 外敵としか思わないと知りつつ
ナギ と呼ぶようになった ナギ一家 ナギ一族
あの捨て身の怒りと呼ぶような守りは
野性のものなら誰でもあるものなのだろうか
威嚇しながら おとりになって
家族からカラスを離そうとしたのか
それから時折 出勤の時 外に見かけると 行ってきます
帰ってきたら ただいまを言うようになり
ナーギー とずうっと心で呼びかけて
飛んでくると嬉しかった
チチチっと 超音波のような高音の響く鳴声
羽を閉じては飛び閉じては飛び
止まっては 長めの尾を上下にふって
ナギを見つけると 私は
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