水晶/yuko
 

を求めては
絡まり合う足、
(電波!)

手を伸ばし
皮ごと
口に放り込んだ葡萄が
ぷちん
とはじけて、
食卓に並んだ
人形たちはみな
ぽかんと口を開けている
(逃げ出した、
(色とりどりの、
(たましい。
ひかりを追いかけて
伸びる蔦が
(帰って、
いつしか脊髄まで覆っていく
(おいで!

目の端を通りすぎる
彗星を追いかけて
気が
付けば葡萄畑の真ん中で
(燃えてる?
その
ひと粒ひと粒が
浮遊する
(ゆうれい、)
君のなみだで、
見えない、
なにもかもが
見えない
眼球に舌を這わせ
(しょっぱい、)
広がり続ける
きみの暗闇を舐めとって、
(だれ?)
(ぼくは、)
球体のなかに閉じ込められた。
(ゆうれい、)
なにもない!
朝、
(ぼくたちは、)
世界を
つつむやわらかな

どこにもたどりつかない光
(さよなら、)
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