その祈りは、とても細く硬い針のように振れて、きっと何者もきずつけることはない/ねことら
 

きみに差し出しているのだから。


おろしたてのサンダルをはきたいから。
迷ったけど、わたしもおいかけることにする。
理由なんてそれくらい。
サンダルにあしらわれたゴールドのリングが
ぼんやりひかっている。


たぶん舵は折れたまま。
だから、うまく風下にながされていけばいい。
夜気にふれて、水のようだとおもう。
どこまでも無人信号がつづいている。
なにも考えなくていいのは楽だ。
まだ夜の深い方へ。


ヒットポイントゼロのたましい。
肯定なんてはじめから望んでなかった。
右か。左か。
おいかけるだけだ。










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