Bubbles/南 さやか
 
無造作に弾いたら そのまま消えてしまいそうな
泡の瞬間

それは夢のようで 夢ではなく
幻のようで 幻でもない
いくつもいくつも折り重なって行く二人の
誰にも云えない永遠だった

まだ見たことのない 尖った眼差し
あなたはその眼で
何を射止めようとするのだろう

阻むものを恐れない つよい思いを
一気に吐き出すくちびるを
私が塞ぎたいと願う夜

きっと応えてくれるという確信が
現実に変わる夜
そこで何が変わるのだろう

二人は泡の時間を紡いで
人目を忍ぶ泡となる
だけどそれは幸せで 離れ難い風の思い

ずっと続くはずなどないと わかっているから
もっと深いところで光る夢を
あなたと確かめたかった


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