シャイな奴には白い花束を送る/アラガイs
 

頭を掻きつつ辺りを見回しながら惚けている。
食べ滓が下顎にへばり付き、それでも平気で涎を垂らしている。
何をするでもなく、何かを考えている様子でもない
背もたれの高い椅子に、深々と腰を潜らせながらうなだれている。
、起きているのか、眠ったまま死んでいるのか、
張りのある大きなお尻が目の前を通りすぎて行く
それは色鮮やかに甦ること
すると一瞬、何かを思い出したかの様に力強く輝き、萎びた手を持ち上げては触覚は生き返るのだ。
怪訝に振り返る顔を眺めては、ニタリ、皺くちゃの頬が幼子で笑う。それから、その度に叱られる。
そして朝を迎えると、また夜が来る 。

チャイイな
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