past away/mizunomadoka
早足でその人たちを追い越しながら
花火で防御が崩れてしまっているんだと思った
前にもその前にも人がいた
歩くのをやめて、花壇に寄りかかった
同じ中学だった女の子たちが再会する声
はぐれて携帯で話してる男の人
今日の花火のこと。明日のお祭りのこと。海に行く約束のこと
目を閉じると、体と香水の匂いがした
手紙とテープ、何故かそう思った
家まで歩いたせいか、思っていたよりもずっと疲れていて
メールの受信をしている間に眠ってしまった
目が覚めると2時だった
着替えを取りに上がると洗濯物が室内に干してあった
開いたままの窓の向こう側、夜の外に
外灯を反射してベラ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)