ハトムネの胸騒ぎ/灰泥軽茶
顔面を勢いよく両手で張り
帰宅し服を脱ぐと
胸の辺りがほんのりもりあがり
仲良くクッキーの形をした
ハトが二羽向かい合わせでくっついていました
それ以来彼はときどき言いようのない胸騒ぎと
それで何かのお告げを聴くようになったり
前触れを予知できるようになった訳ではなく
小さな声のハトの鳴き声を聴くようになり
年中べストを着用するようになり
クッキーが食べれなくなり
豆が大好物になりました
ただ一点道には異様に詳しくなり
今は始終ラジオをつけながら
腕の良いタクシーのドライバーをしています
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